身体表現性障害の治療

身体表現性障害とは

 身体表現性障害とは、身体的原因が見いだせないにもかかわらず、身体症状を呈したり、身体への過度のこだわりを示す病態です。その中でも代表的なのは身体化障害です。身体化障害は、多彩で持続する身体症状を特徴とする障害です。ここでは、主として身体化障害について説明します。身体表現性障害の中には、その他に、運動機能や感覚機能の障害を呈する転換性障害、頑固で激しい痛みが持続する疼痛性障害、「自分は重大な身体の病気にかかっている」とのこだわりを示す心気症などがあります。

身体化障害の症状

 身体化障害は、多彩な身体症状が持続し、そのために社会生活などに支障をきたす障害です。身体症状としては、身体の各部位の痛み、胃腸症状、性機能の障害、運動や感覚の障害などがみられます。そのような身体症状があるにもかかわらず、身体症状を説明できるような身体的原因が見いだせないのが特徴です。また精神症状としては、抑うつ気分や不安があることが多いです。本人が身体症状の改善を求めて医療機関を受診しても、満足のいく対応をしてもらえないと感じて、なかなか治療の継続につながらない場合もあります。

身体化障害の治療

 身体化障害の治療については、まず安定した主治医・患者関係の形成が重要です。そのうえで、継続的な治療を行ってゆきます。治療の目標は、身体症状の消失というよりも、身体症状にうまく対処してコントロールできるようになることに重点をおきます。

1. 薬物療法

 身体化障害に対する薬物療法としては、身体症状から抑うつ的になっている場合には抗うつ薬を、不安が強くなっている場合には抗不安薬を使用する場合があります。

 注意しなければならないのは、本人が、身体症状の改善を求めて薬に頼る傾向が強くなる場合があることです。その結果、使用する薬の量が増えてゆく場合があるので、そうならないように注意が必要です。

2. 精神療法

 身体化障害の治療については、まず安定した主治医・患者関係の形成が重要です。本人はこれまでに、身体の具合が悪いと訴えても医師からは「どこも何ともない」としか言われないという体験をしている場合が多いです。まずは、本人の身体症状をはじめとする苦痛の訴えをしっかりと聴いてうけとめるところから治療が始まります。その際に、身体症状の他に、抑うつ気分などの精神症状にも十分に注意をはらうことが必要です。

 治療が始まると、本人はまず第一に身体症状の改善と消失を求めるのですが、なかなかすぐにはよくならないという事態が生じます。ここで大事なのは、身体化障害という障害について本人に説明することです。そして、身体症状の消失をめざすというよりも、身体症状にうまく対処してコントロールできるようになることをめざすことが大事であると伝えます。その際には、対人関係などのストレスが、身体症状の増悪に影響している可能性について考えてゆくことも役に立ちます。

 対人関係などのストレスが身体症状の増悪に影響している可能性があるならば、そのようなストレスに対する対処法を考えることにより、身体症状があまり増悪しないようにコントロールすることも可能になります。その積み重ねによって、次第に身体症状にさまたげられないで日常生活を送ることができるようになります。そのためにも、継続的な治療を行い、症状やストレスへの対処法について話し合ってゆくことが重要です。

 

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